ユズハin浅草雷門　（千歳みさと様より）

「写真、とっていきましょう」
　巨大な赤い提灯が有名な寺の門前に来て、アメリアはいった。
「ユズハ、門と一緒にとってあげるから、そこに立ってください」
「ン、ワかっタ」
　てくてくと門の近くへ歩み寄るユズハ………と、突然何かを思いついたようにぴたっと立ち止まるとダッシュでアメリアのところにとって返し、彼女の足下、お土産の入った紙袋をかき回しはじめた。
「な、何するんですユズハ!?」
「たべナがラ、トるのー」
　言う間にもユズハは袋の中をかき回し続ける。絵馬にお札、雷おこしに浅草のり、なぜか『根性』とかかれたはちまき、そして………

　後日、できあがった写真には、散りゆく桜と雷門、そして、すっかり気に入った芋ようかんをかじる精霊の少女の姿があった。