Ria and Yuzuha's story : Last wish 【All standard is you】 前編 〔序〕
陽光がその激しさを無くしていく。
穏やかに枯れていく、芳しい死。実りとそれにともなう死と再生。
春を、待つための。
―――秋。
ようやく残暑も去ったころだった。
王宮を抜け出してリアに会いに行ったのだが、訪ねてみればゼフィアのところだと言われてしまい、仕方なく―――いやむしろ喜々として、そのままその足で訪問することにした。
どうにかすると見当違いの方向へ行こうとするアセリアを引っぱるようにして、ユレイアは以前掃除に訪れた家を訪ね、庭を通り抜けて玄関の扉を開けた。
ノッカーは叩かない。
その必要はないと前に言われていたからだ。不用心だと思わないでもないが、彼の目の状態を考えれば、いちいち応対に出るのも大変なのだろう。以前の掃除の時にリアとリナが何やら魔法をかけていたので、侵入者対策はしてあるはずだ。
庭を通り抜けたときに見た幾つかの窓は開け放たれていた。日射しはまだきつかったが、風は乾いていて、枯れかけた庭の夏草をさわりと揺らして渡っていく。
通り抜ける途中で人影を確認していた部屋の前までやって来ると、二人は神妙な顔で扉を叩いた。
わけもなくどきどきしていた。
しかし扉の向こう側からは何の答えもなく、やがて二人は困って顔を見合わせる。
もう一回だけ扉を叩き、それからアセリアは意を決して、そっとノブに触れた。
把手はあっさりとまわり、二人は開いた隙間から、おそるおそる部屋のなかを覗きこんだ。
―――ひかり、が。溢れて。
開かれた窓から、まぶしい陽の光と庭のくすんだ緑が見えていた。
窓から入りこんだ風は明るい部屋を通り抜け、アセリアとユレイアの横をふわりとすり抜けていく。
窓際に小さなテーブルが置かれていた。
そして―――。
直接の光線を避けるような位置に、ひとり。射しこむ光に銀の髪の陰影がきわだち、鏡のようにきらめいている。
もうひとり、まぶしい光に包まれているほうは動かない。
頬杖をついた顔にさらさらと金の髪がふりかかり、風に揺れている。伏せられた睫毛のひとつひとつさえも、光を受けて淡く透きとおっていた。
銀色の人影のほうが二人を見て微笑し、唇にそっと指をあてた。
(しずかに―――)
顔に巻かれた遮光布に表情は隠されていたが、目元も穏やかに笑んでいるに違いなかった。
卓上のやりかけのチェスの駒たちが、所在なげにたたずんでいる。
ひかり。と、かぜ。
侵しがたく稀有な宝物がこのわずかな瞬間、本当にいまだけ、目の前でその輝きを放っているような気がした。
扉のところに立ちつくしたままの双子の気配を察して、ゼフィアが困ったように笑い、それから手招きをした。
アセリアとユレイアは顔を見合わせたあとで、そっと扉を閉めると、足音を忍ばせて窓際へと近づいた。
(―――セアさんと、ユアさんですか?)
(は、はい………)
(あの、えっと………)
予想外の展開にすっかりしどろもどろの二人に、ゼフィアが本当に小さな声でささやいてきた。
(お願いがあります)
(は?)
思わず聞き返すと、相手は神妙な顔で告げた。
(白の女王を、黒の王の左隣りに置いてください)
双子の目が点になった。
(あの………それって)
(負けが込んでますので)
妙に真面目くさった口調でささやいた相手に、アセリアとユレイアはほぼ同時に吹きだしかけ、慌てて口を押さえた。
言われたとおりに駒を動かし終わった直後、リアが気配に気づいて目を覚ました。双子の姿を認めて罰が悪そうに何か言いかけ、ふと盤面に視線を落とし黙りこむ。
眉間に皺を寄せてしばらく駒を睨んでいたが、ゼフィアを見て、また駒を見て、またゼフィアを見て―――それから双子を見た。
双子は慌てて視線を逸らす。それでバレた。
リアが怒り、ゼフィアが耐えかねて吹きだした。双子も笑う。リアは呆れ、そのうち一緒になって笑いだした。
風が渡り、光が溢れた。
胸詰まるような幸福感とともに、ひとつの確信があった。
忘れられない。
自分たちはこの光景を、これから先もずっと憶えているのだろうと―――。
「いいかげん観念しなさい、ガウリイ」
リナの口調は、にべもなかった。
「だってなぁ。こないだおれもやっと遠くから見れたけど、あんなナヨナヨしたののどこがいいんだ」
「あんたは相手がだれだってそう言うわよ。だいたいね、あんたより強い相手なんて、世界中探してもそうそういないわよッ!」
リナは勢いよく相手に指先を突きつけた。
「それにあんた、リアがまだ小さい頃には、そのうち止めてもどっか嫁に行くから、いまのうちに嫌というほど可愛がっとくとか言ってたでしょうッ!」
「………言った」
てっきり「そんなこと言ったか?」と言われると思い身構えていたリナは、少々あっけにとられた。
「お、憶えてたの? あたしてっきりいつものように忘れてるんだと思ってたわ」
「言ったなぁ………そんなこと。うん、言った」
やたらしみじみしはじめたガウリイは、そのうちだんだん苦悩して唸りだした。
リナは呆れて溜息をついた。自分で嫁をもらっておいて、娘は嫁にやりたくないというんだから、男親とはつくづく勝手なものだ。―――いや、嫁にもらわれた覚えなどリナには微塵もないのだが。
だいたい嫁だなんだと話しているが、話をここまで飛躍させているのは自分たち二人だけで、当事者たちはのんびりしているどころか、まだ海のものとも山のものともつかない状態だ。旅に出たままなら一向に気にならないのだが、目の届くところにいるだけに非常に経過が気になる。
(リアがゼフィ連れてくるのが早すぎたんだわ。もう少し進展してから帰ってくりゃいいのに)
とんでもないことを考えながらリナはガウリイを横目で見、痛むこめかみを指で押さえた。
先日、顔を合わせた際に呼び捨ての権利を取得していたが、そう言葉を交わしたわけではない。物静かで透明な印象。ゼルガディスとはまた違う静謐さがある青年だった。まあ、ゼルガディスのそれは表面上のものなのだが。
そうこうしているうちに、苦悩していたガウリイが今度はしょげはじめた。
やれやれとリナは息をつき―――名を呼んだ。
「―――ガウリイ」
少しのあいだ視線をさまよわせてから、ガウリイが軽く息を吐く。
その様子に、よし、とリナは目を細めた。
夏のあいだずっとやっていればもう充分だろう。結局、ガウリイも最初からわかっている。
「ま、いまさら言ってもはじまらんか」
今更も何も、揉めるとしたら進展するだろうこれからなのだが、リナはそのことについては触れず、別のことを言った。
「味わえた?」
「それなりに。お前さんは?」
「あたしは最初からそんなもん味わう気ないし」
「もったいない」
ガウリイの苦笑に、リナは軽く鼻を鳴らしてみせた。
「あたしは母親やってるつもりないわよ。生んで育てて愛してる。ただそれだけよ」
愛しているから幸せになってほしいとは思うけれど、基本的に何をやっていようがどうしてようがかまう気はない。リナはリナで勝手に生きているし、それを見ながら向こうも向こうで勝手にやるだろう。
与えてやれるものは少ないし、勝手に学んでいけばいい。
「世間様ではそれを母親っていうと思うんだがな」
「生みさえすれば親になれるわけじゃないでしょ。そういう意味ではあたしは親になったつもりなんかないわね。あたしはいつだって母親失格よ」
手首のタリスマンに視線を落とし、リナは肩をすくめた。
実のところ、こんなに安穏に生きられるとも思っていなかったのだ。まあ絶対ろくな死に方はしないだろうと思っていたのだが、何のかんので結構穏やかに生きていた。この夏の初めまでは。
再び姿を見せはじめた魔族の影に、たゆたっていた霧が吹き払われて、少しずつ感覚が昔に戻りつつある。
あの結界騒ぎでリアを結界内部に送り届けたきり、ゼロスは姿を見せなかった。用は済んだということなのだろう。
このまま、何も起こらなければいい。
ゼロスが果たすべき勤めとリナたちの道が交差しない限り、彼が姿を見せることはないはずだった。これから先、そんなことがないよう願うだけだ。
いくら好き勝手に生きていけばいいと思っていても、魔族と一悶着起こしてほしくはなかった。そんなのは自分たちだけで充分だ。
リナは傍らの相棒を見あげた。相手の背後に広がる空は夏の形の雲が崩れ、秋の気配を見せはじめている。
何度でも季節は巡る。生きている限り。
「ま、リアこれからどーなるかしらねーあははは」
「楽しそうだなお前さん………」
「すっごく楽しい」
伴侶の背中を軽く叩き、リナは笑いながら窓から離れて奥の部屋へと入っていった。
―――想像すらしなかった。
安穏だと信じていたあいだも、歯車は静かに回り続けていたなどと。あんなかたちで。
どれほど信じがたい確率と偶然性がそれを可能とするのか、わかっていたからこそ―――。
「お帰りなさい、わたしの旦那さま。わたしが執務に追われてるあいだに何やってるんですか」
部屋に入るなり、にっこり笑ってそう言われ、ゼルガディスはげんなりした顔をした。
「別にさぼっていたわけじゃないぞ」
特別な行事が組まれていない限り、午後のお茶を境にして以降は自由な時間となっている。アメリアが執務をしているのは、単に本来の執務時間内に自分の担当分の仕事を片づけられなかったからだった。
「ずーるーいーでーすー。わたしは仕事してるのにぃ」
少女時代から何ら変わらないようなふくれっ面でアメリアが文句を言う。
「かまってくださいぃぃ」
「お前な………」
ゼルガディスが呆れた顔をする。
「執務中のお前をどうやってかまえというんだ」
「えーと、えーと………何か芸とか。あ、歌! あの聞いてるほうがいたたまれなくなる微妙な感じの歌とか」
「ちょっと待てっ。何だそれは !?」
アメリアが、きょとんとした顔でゼルガディスを見る。
「ゼルガディスさん、歌下手ですよ。自覚無かったんです?」
「何でもいいから却下だ」
げっそりとゼルガディスは首を横にふった。
「じゃ、そこで侍従の代わりをしてください。妻の苦労は夫の苦労。―――あ、休憩していいですよ」
言葉の後半は、困った顔で決裁待ちの書類を手に立っていた侍従に向けてのものだった。
溜息混じりにゼルガディスはその手から書類をとりあげ、肩を押しやる。
「王太子殿下のお言葉だ。行ってこい。やっておく」
「い、いえあの、それは………」
「言いだしたら最後だ。茶でも飲んでこい」
なかば強引に執務室から侍従を追いだし、ゼルガディスは扉を閉めた。
「何してたんです? クーンと稽古を?」
「いや、ガウリイだ。クーンとはあれ以来、ほとんどしていない。何を気にしているのかは知らんが、誘うと逃げられる」
「あの子もねぇ………繊細なところがありますから」
何を思いだしたのか、アメリアは溜息混じりにそう言い、
「年頃ですし」
と、付け足した。
付け足してから、急にその表情が生き生きとしたものに変わる。
「そういえばここ最近、忙しくてリナたちに会ってないんですけど、何か聞いてません? 何か進展ありました?」
何の進展について尋ねているのやら。ゼルガディスは頭痛をこらえながら、奏上待ちの侍従が腰掛ける椅子に座った。
「お前はいったい何を期待しているんだ………?」
「えー? もちろん色々もろもろと古今東西の女性が目を輝かせることを、ですよ」
「おれが知るか」
鼻歌でも歌いだしそうな口調で言われ、ゼルガディスは完全に匙を投げた。
「見えるようになるんだろう? それ以外におれは知らんぞ」
「それはわたしもひと月前から知ってますってば。それも、そろそろでしょう? 詳しい話は聞いていないんですか?」
「このあいだ会ったときには、あと十日もすればと言っていたような気はするが………」
アメリアは書類を繰る手をとめると、苦笑混じりに息を吐きだした。
「あなたにも簡単にしゃべるところを見ると、本当に意識してないんですねぇ。昔のリナみたい」
あまりと言えばあまりな言いように、ゼルガディスは思わず笑いだしてしまった。言動に受けて吹きだすなど彼にしては珍しいことだったため、アメリアのほうが逆に目を見張る。
「そんなに変なこと言いました?」
「いや、ガウリイが頭抱えるわけだと思っただけだ」
それを聞いてアメリアも吹きだした。
しばらく笑ったあとで、アメリアはふと瞳を輝かせながらこう言った。
「でも、見えるようになったら、絶対向こうのほうがクーン放っておきませんよ。リナから聞いた話では向こうも憎からず思っているみたいですし、クーン目にしたら最後ですよ。ふふっ」
あの美貌は強烈ですからねーと何やらひとりで頷いているアメリアに、いったい何が最後なんだと突っこみたかったが、ゼルガディスは懸命にもそのまま黙ることにした。
話はそのままそこで途切れ、アメリアは書類に視線を落とした。
しばらく静かに書類を繰る音だけが響いたが、やがてそれも止まる。
ゼルガディスが顔をあげると、アメリアは窓の外に目をやっているところだった。
その表情が遠くを見るような茫としたものになっている。
つられて、ゼルガディスも窓の外に意識を向けた。
いつのまにか暑さはやわらぎ、空は色の薄い秋空に変わっていた。刷毛ではいたような淡い雲の下を、鳥が鳴き交わして飛んでいく。今年は気候が穏やかだったから豊作だろう。
「本当にいい天気………」
ふと、放心したようにアメリアが呟いた。
窓の外の景色に重ねて、何か別のことを想っているらしく、全身からふわりとゆるんだ気配を漂わせている。
アメリアは窓から視線をゼルガディスに移すと、どこかひそやかな、内緒の願いごとをする子どものような口調で言った。
「このまま、こうして………。もちろんあの子たちは旅に出しますし、リナのところだってこれからどうなるかもわからないですけど………、でも、いままでそうだったように、これからも、こんなふうに、みんなが幸せに当たり前のことを当たり前にくり返してられたらいいですよね」
唐突に呟かれた真摯な言葉に驚いたものの、ゼルガディスは無言で小さく頷いた。
秋の高い空を見あげて、アメリアはもう一度呟いた。
「本当に、いい天気―――」
「結論から言うと、なんつーか、魔族?」
「魔族、違ウ」
心持ち憮然とした表情でユズハがリナに言い返した。
「あれ、ヤな感じ。キライ」
唇を尖らせるユズハの頭をアメリアが撫で、苦笑しつつもなだめてやる。
セイルーンの六紡星結界と、そこにあった魔力を丸ごと取りこんだユズハに関しての、最終的な報告をリナから受け取ったところだった。
夏の一件で、ユズハの存在は格段に安定した。自身の魔力をきちんと制御できるようになったので、結界内にいても魔力が削られるということもなくなった。以前はできなかった精神世界面を介して空間を渡ることも、いまでは可能だ。
これで負の感情が美味しいなどと言いだしたら魔族そのものなのだが、幸いにしてそんなこともなく、いままでと変わらぬ食べっぷりを披露している。
「まあ、何にしても負の感情を食べない魔族っていうのが、いちばんわかりやすい説明の仕方には違いないわ。存在の根幹は精神世界面だけど、魔族と違ってこっちのほうにも結構依存してる気がするわね。たぶん、ずっと向こういると溶けちゃうんじゃないかしら」
「溶けル?」
「氷をそのままほったらかしてると形が崩れて水になって、終いにはいつのまにお皿からなくなっているでしょ。あれと同じ」
ユズハはしばらく首を傾げていたが、やがて頷いた。
「ゆずは、は、ゆずは。名前とカラダ、必要。こないだのデ、よくわかっタ」
「そういう意味では、あなたには鏡が必要なのかもしれませんね」
「カガミ?」
「ユズハがユズハの存在を確認するために必要とする何かのことです。あなたは存在が不安定ですからね。もしかしたらそういう相対するものが要るのかもと、リナと仮説を立ててみたんですけど」
「最初はアメリアで、いまはうちのリアかしらね」
「よく、わからナイ」
ユズハはふるっと首を横にふった。その仕草にアメリアとリナが笑う。
「まあ、わからなくても問題はないからいいわ」
「そうですね。わからなくてもあなたは勝手に選ぶでしょう」
首を傾げたまま、ユズハは淡々と言葉を紡ぐ。
「りあ、好き。くーん、好き。ずっと好き。それはいけナイ?」
「いいえ」
アメリアは笑って、ユズハと目線を合わせるためにしゃがみこんだ。
つい先ほど、セイルーンの結界について恒久的な守護を頼み、その言質をとったところだった。ユズハがこれからどれほど存在し続けるかはわからないが、在り続ける限り、セイルーンの結界が以前のような危機に陥ることはないだろう。ユズハの好意を利用するようで気はひけるが、迷いはない。どうせユズハにも存在維持のための魔力を定期的に必要とするのだ。お互い様といったところか。
「ずっと好きでいてくださいね。わたしもあなたのことが好きですよ」
「あたしもあんたのこと好きよ。うちの馬鹿娘に付き合ってくれてありがとう。世話が焼けるだろうけど、これからもよろしくね」
「ン」
リナの手がユズハの頭に置かれ、くしゃりと撫でられる。ユズハは目を細めて頷いた。
難しい理屈は知らない。いつだって自分は自分が決めたことでしか動かないし、それ以外に興味もない。自分が決めたことが覆されることはあり得なかった。
彼女が自分を選んだのではなく、自分が彼女を選んだのだ。
自分が在って、世界が在るのだ。
(あんたが望む通りに、あたしが呼ぶ。このあたしが呼ぶ。あんたがあんたで在りたいと願う限り、あんたの名前をあたしが呼ぶわ)
それが真実だ。
嘘をつくことも、つかれることも、ユズハにとっては理解不能のことだった。
信じるということは、呼吸をするように当たり前のことだった。
それが、どれほど難しいことなのかもわからなかった。
鮮やかに、世界がユズハを裏切るまでは。
夏は過ぎて、いつしか秋の気配を感じるようになった。
空の色が淡くなり、日毎に高く遠くなる。輪郭のはっきりした入道雲ではなく、曖昧に溶けていきそうな鰯雲。
何でだろうな―――。
空が遠ざかって、雲が変わっていくのは不思議だ。
見あげて、ティルトは息を吐いた。
わからないことだらけで、世界は怖い。怖くて綺麗で、圧倒的だ。
押しつぶされそうだなァと思って、空を見あげるのをやめた。
自分はまだ考えている途中。
「………何か言えよな」
―――姉さん。
徐々に生命の気配が薄くなり、満ち足りたものを漂わせながら枯れ果てていく。
冬を迎え、春を待つ。
出会いから、一年が過ぎていた―――。

