きらめくよる
宴の喧噪から遠ざかるほど、王宮は闇に沈んでいく。
明かりが絶えているわけではないが、その間隔はだんだんと間遠になり、薫香を放つ篝火は白くぼんやりした魔力の常夜灯へと光の質を変える。
広間でにぎやかに渦を巻いていた熱気は、ここにたどりつくまでのあいだに程良い子守歌のようにほどけ、ゆったりとたゆたっていた。
遠く舞曲を聴きながら、回廊を歩む規則正しい靴音はひとつきり。
柱廊ごとに張りめぐらされた月光の壁を突き破るたび、金の髪が青く濡れ、影に入っては暗くなる。
心持ち急いていたその足音が、不意にやんだ。
立ち止まった彼の視線の先。だれかが落とした金貨のように、床がまるく光っていた。
伸ばした指先が拾いあげたのは薔薇の花弁。
月明かりで青白く光るそれは、広間の灯し火の下では淡い薄紅に陰っていたはずだ。
風であおられて飛んでいかないよう、ゆるくつくった拳のなかに閉じこめ、彼はまた回廊を歩きだす。
しばらく行くと、またもや花弁。
背をかがめ、彼は丁寧にそれを拾いあつめる。
ほたほたと、妖精の足跡のように花びらは途切れなく続き、周辺に撒き散らされた金の粉は、翅からこぼれた鱗粉めいてちらちらと瞬いた。
結いあげた髪に金粉を散らし、薄紅の生花を飾っていたのだ―――縁は陶器のように白くて、奥の花芯に向かうほど薄紅が濃くなる木蓮のような薔薇を。
花弁をひとつ拾うたび、まだ髪に触れてもいないのに、指先が金色に光っていく。
やがてたどり着いたのはひとつの扉。
そっと開いてなかに入ると、足下の感触が変わった。敷き詰められた柔らかな絨毯の上にも、やはり花びら。そして靴。
落とし物が多い。
彼は苦笑してやはり花びらを拾い、華奢なつくりの靴を壁際にそろえて退けた。
ソファの背もたれにはショールと手袋。卓上には首飾り。招待主が貸してくれた装飾品は、飴玉みたいにとろんとした淡い桃色の珠を連ねたものだった。甘すぎる、と本人は顔をしかめていたが、それをいかに似合うように見立てるかが楽しいんです! と力説され、脱力していた。
夜風にカーテンが重たげに揺れる。あるはずのガラス戸は押し開かれ、テラスと部屋はゆるやかに空間をつなげていた。
その向こうには、捜していた気配。
「リナ―――」
集めた花びらを片手にガウリイが帷を押しのけたとき、最後のピンを引き抜いたリナの髪が、弾けるようにその背へとなだれ落ちた。
月の花びらと金の星雲。
刹那、華やかに宙を舞い、夜風にのって何処へともなく流れていく。結局、彼女が薔薇と金粉に彩られていたのは、夜会のひとときだけだった。
小さくまるいその肩が、ひょいと動く。
こちらに向かって放り投げられた黄金のピンを危なげなく受けとめ、ガウリイは苦笑しながら声をかけた。
「こんなところにいたのか」
「こんなところにいるわよ」
軽く頭をふって解いた髪を流し、リナは肩越しにちらりと視線を寄越した。幅のある手摺りの上にぺたりと座り、子どものように足を外へと投げだしている。
「夜会もそろそろお開きでしょ。食べるもん食べたし、見るもん見たし。アメリアの顔も立てたわよ。部屋に戻ったって別に文句は言われないと思うわ。ちゃんと断ったし」
「オレにも声をかけてから抜けだせよな」
「目で合図はしたでしょ。あんた囲まれてるんだもん。近づくの面倒だったのよ」
「うわ、面倒かよ………」
ぼやいた彼の手元に気づき、リナが身体をねじってテラスの内側へと向きなおる。
「あれ、ガウリイなに持ってんの」
「お前さんの落としもの。ほれ」
「え? う、わ………」
頭のてっぺんから薔薇の花びらをまぶされ、リナは思わず首をすくめ、次いで吹きだした。
「なに、わざわざ拾ってきたの?」
「なんとなくな」
花びらを撒き終え、ガウリイは手摺りに並んで肘をついた。視界で裸の爪先がぱたぱた跳ねる。
「落ちるなよ」
「だいじょーぶよ。飲んでないし」
同色のドレスの上に落ちた花びらをつまみあげ、リナはふうっと息を吐いてそれを飛ばした。夜の暗がりのなかへ、ひらひらと白く落ちていく。
なんとはなしにガウリイはその行方を目で追った。
だが飛ばした当人は、もう花弁のことなど気にしてはいなかった。
月を見あげて、リナは呟く。
「あともうちょっとだけ魔道書見せてもらうつもりなんだけど」
「ああ」
「それが終わって王宮を出たら、次は―――」
「ゼルを探しに行くんだろ」
月を映しこむ双眸が、わずかに見開かれた。
ガウリイに視線を戻し、それから少し照れくさそうに笑う。
「わかってた?」
「昼あたりからもうそのつもりだったろ。アメリア、平気なふりしてたけど、ちょっと落ちこんでたしな。オレも賛成かな」
「じゃ、それで決まりね。アメリアからの招待状無視するなんて、いーい度胸じゃないの。いくら忙しいとはいえ、たまには顔を出せっての。とっとと見つけて簀巻きにして、ここに引っ張ってくるわよ」
「―――勝手にひとを簀巻きにするな」
リナとガウリイは動きを止め、次に揃って視線を投げた。
いないはずの当人の声は、夜の向こうから届けられた―――月明かりの落ちる暗い庭に白い影法師。
少し高い位置に張りだしているテラスの下へとやってくる相手を待ち受けながら、二人は小声で会話を交わす。
「やだガウリイ、あんた気づいてた?」
「悪い。いまちょっと酒入ってる」
「………そーいやそうだった。って、そんなことは今はどうでもいいわ―――ゼル!」
嬉しそうに声を弾ませたリナの身体が、本当に弾んだ。両腕のばねを利かせ、勢いよく夜のなかへと飛びだしていく。
「っ、待てリナ!」
「おい !?」
上と下とで男二人の慌てた声がする。
花びらが鮮やかに虚空を舞った。
衝撃から一拍遅れて、軽やかな裳裾と甘い匂いが彼のもとへと舞いおりる。
上空から降ってきた花色の塊を、かろうじてゼルガディスは受けとめた。保護者の見ている前でとり落として、再会早々おのれの身を危うくするわけにはいかない。
「お前な―――!」
「ゼル、おひさしぶり! 遅いわ、遅刻よ! でも来ないよりかは断然マシだわ。ガウリイ、アメリア呼んできて!」
裸足で庭園に降りたち、リナが笑う。
その音色と表情に気勢をそがれ、ゼルガディスは思わずそのまま口をつぐんだ。
見れば、暴挙を叱りつけようとしていたガウリイも、わずかに顔をしかめたまま沈黙している。互いに目があい、微妙な空気が流れた。
挨拶代わりに片手をあげつつ、ゼルガディスの背を冷や汗が伝う。
抱きとめたのは不可抗力だ。落とすほうが大問題である。もちろん相手もそれをわかっているので、何か言いたげではあったが無言で片手をあげかえし、リナの言に従ってそのまま奥に姿を消した。
思わず胸を撫でおろす。
深々としたゼルガディスの嘆息を聞きつけ、おかしそうにリナが喉を鳴らす。
「再会したばかりで溜息? あいかわらずねえ」
「誰のせいだと思っているんだ」
「遅刻した自分のせいでしょ」
ばっさり切り捨て、リナは月明かりのなか腕を組んだ。
その芯の通った立ち姿は普段と何ら変わらないが、まとう衣服が違うせいか、少しばかり違和感を覚える。
動きにあわせて揺れる幾重もの紗は、やわらかく夜に溶けだすような乳白をしていた。月光の下でも褪めることなくあたたかみを帯びた白だ。もしかすると本来は白ではなく、ごく淡い別の色をしているのかもしれない。
「………また珍しい恰好だな」
「あーんーたーねー!」
当たり障りのないことを言ったつもりの彼に対して、物騒な唸り声が返される。
「言うに事欠いてそれかい。………あんたまさか、夜会に出るのがイヤでわざと遅刻してきたんじゃないでしょうね?」
「いや」
「どうだか」
鼻をならし、リナは髪をかきあげた。化粧と花の甘い匂いが風に混じる。
その香りと白い腕に、ゼルガディスは会ったら言おうと思っていたことを思いだした。
「―――結婚したそうだな」
きょとんと瞬きしたリナの顔から、険がとれる。
「あら、だれから聞いたの。アメリアが招待状にでも書いてた? そうよ、ついこないだね」
「新婚早々、旦那の目の前で他の男に飛びつくとはな」
皮肉られ、顔を真っ赤にするかと思いきや、予想に反して目の前の相手はにやりと笑っただけだった。
ゼルガディスは攻撃の不発を悟る。
不発どころか非常に嫌な予感がした。リナ=インバースがその笑いかたをしたとき、たいていろくなことはない。
無言で顔をひきつらせた彼に、リナは唇の端を持ちあげたまま告げる。
「ふうん。せっかくだから、浮気相手さんには良いことを教えてあげようかしら」
「いらん」
「いいから聞いて驚きなさいよ。実は現在妊娠三ヶ月」
「………………………………なんだと?」
聞き間違いかと思ったが、聞きなおす度胸はなかった。
さすがに二の句が継げず、ゼルガディスは目の前の小柄な人物を見つめる。
その反応を面白がるように、リナもこちらを見つめ返してくる。月の光が射しこんで、双眸がきらきらと燃えるような暗褐色をしていた。
いったい何と返せばいいのか。相当失礼な疑問から素っ気ない祝いの言葉まで―――、一時的に混乱をきたした言語野と思考回路が、不意に別の疑問と結論を弾きだす。
先刻リナが無茶をやらかしたとき、その伴侶は何か言いたげではあったものの、比較的あっさりと引き下がった。あり得ない。
「おい、まさか………」
「相変わらず変なところで察しがいいわね。正解よ」
手を叩いて笑い、リナはその場でくるりと回る。
喉の奥でうめき、ゼルガディスはその場で頭を抱えたくなった。
「ガウリイにもまだよ。アメリアにも。あたし以外に、あんたがいま初めて知った。揃ってから打ち明けようと思ったのに、あんたさっぱり来ないんだもの。これは罰よ」
「勘弁してくれ………」
これはひどい。ばれたら最後、彼からも彼女からも非難囂々なのは間違いない。特に父親となる相手からは、恨まれるだけですめばまだいいほうだろう。めでたい報せのはずなのに、同時にこれから落ちる予定の奈落を覗きこんでいる気がする。
「おめでとうとは言ってくれないの?」
「そりゃけっこうなことだ。めでたいな」
「うっわ、適当ねー」
笑いながら、リナは再びくるりと回る。
「これはあたしからの遅刻の罰と、再会のプレゼント。―――会えて嬉しいわ、ゼルガディス」
リナの動きに一拍遅れ、ふわりと裾が舞いあがり、落ちつきかけたところでまたひるがえった。高い位置で布を切り返しほとんど腰をしめないドレスは、逆さに伏せた薔薇のように風をはらんでふわふわと光る。
自身の影を追いかけてステップを踏む爪先から、月光が滴り落ちていく。
栗色の髪が風に流れた。そこから漂いだすのは、記憶のなかの彼女がよくまとっていた攻撃魔法の焦げつきと戦いの泥臭さではなく、甘い香料の匂いだった。
だがそれでいて鮮やかにあたりを払うのは、以前と変わらない溢れる炎のような生気。
「幸せそうだな」
思わず、そう口をついて出ていた。
他意はない。含むところがあるわけでもない。
ただ単純に、目の前の存在を―――彼女が描く軌跡を追っているうちに、ごく当たり前の感想が言葉となっただけだった。
笑い声が風に混じる。
「そうね、幸せよ」
弾ける陽光めいた光輝はときおり、当たり前のように刃をそのなかに混じらせている。
「幸せすぎて、ひりついて、怖くて、どきどきして落ちつかないわ。たまらない」
庭園は月光が降りるだけで深沈と静かだが、遠くの熱気を奥底にひそませてたゆたっている。今夜は宴の夜なのだ。
夜会の名残をにじませて、裳裾はひらめく。
リナの口調は世間話をするときと何も変わらない。
「幸福って、酔いに身を任せたまま全力で疾走する馬車を操っているようなものよ。酔いが覚めるか手綱を間違えるかそこから飛び降りるか。ぎりぎりのところを走り続ける疾走感にぞくぞくするわ。最高ね」
風にひるがえる紗が、ひらめく白炎に姿を変えたと思った。
「手にしたものを手放す気は絶対にないわ。止まりさえしなければ、どこまでも行けるしどこへだって行ける。世界が終わりを告げるまで、あたしは走り続ける。あたしとガウリイと、この子の三人でね―――どんなふうにどこまで行けるか、楽しみよ」
薔薇の妖精の踊りは唐突に終わった。
最後の裾が静かに落ちる。
「ねえ、ゼル。あたしからも聞いていい?」
白炎をまとって立ちながら、リナは母になるとも思えないあどけない顔で首を傾げた。
「なにをだ」
「あんたの旅はあてどない。先が見えなくてつらいことだらけね。アメリアはときどき王宮で泣くわ。………あんたは、あんたたちは、不幸なのかしら?」
ひどく無造作な問いに、ゼルガディスは束の間沈黙した。
答えに迷ったのではなく、答えかたを迷っていた。
結局、いちばんシンプルな言葉を選ぶ。
「―――いいや」
つきのひかりのしたで、リナが微笑んだ。
この夜が、空間ごと切りとられたような錯覚を覚える。
「アメリアもそう答えた。だからあの子に言ったことを、あたしはあんたにも言うわ」
自分が浴びている光は、本当はどこから来ているのだろうか。
「愛しているわ、ゼル。あたしはいつだって、あんたたちの味方よ」
心臓がぎゅっと締めつけられた。
同じ言葉を聞いた彼女は、そのとき何を思ったのだろうか。泣いて喜んだだろうか、笑って感謝しただろうか。
ただの想像に過ぎない。だが間違えないという確信がある。
きっと目の前の彼女にそう言われたことが、魂がふるえるほどに嬉しくて誇らしかったのだと。
ともに過ごした幾つもの昼と夜を、手のひらにのせて輝くままに差し出されたような。
会うために此処まできた。再会はすぐそこまで来ている。だが、どうしてだか、ひどく闇雲にがむしゃらに、いまこの瞬間にこそ彼女の顔を見たかった。アメリア。
―――目の前の相手に向かって礼を言うのは、おそらくひどく簡単なことだった。
だが、言えば何かが欠けてしまう気がした。
ゼルガディスはさんざん迷ったあげく、礼にもならない脈絡もない、ひどく馬鹿馬鹿しいことを口にする。
「………あんたはいい女だよ」
「アメリアの次にでしょ。知ってるわよ」
答えにすらなっていなかったはずだが、リナは笑って片目をつむった。
知らず詰めていた息を吐く。
闇を切り裂いて花火があがった。
極彩色の閃光があたりを照らし、すぐに闇に落ちかけてはまた派手派手しくきらめく。
かん高い風を裂く音にまぎれて、リナがその場で呪文を口ずさみはじめた。
衣装のせいか月日が浅いせいか、腹はまるで目立ってはいないが、ゼルガディスはさすがに慌てる。
「おい !?」
「だいじょうぶよ。ゼルも子どもができると魔術が使えなくなるっていうヨタを信じてんの? あれはただの迷信。集中力の問題だから、複雑な術が使いにくいのはほんとだけどね。でもこれぐらいなら平気よ」
ふわりと爪先が大地を離れる。
浮遊を操りながら、リナは夜会の終わりを告げる花火をみあげ、それからゼルガディスをふり返った。
「さて、あたしは戻るわ。予行演習はすんだわね。本番うまくやんなさいよ」
一瞬、何のことかわからなかった。
だが少し離れたところで扉が悲鳴をあげて開く音がした。慌てたような足音。途中で転んだか、一度変に乱れ、すぐにまた復活する。テラスのカーテンが大きくひるがえり、そして―――
「ちょっと待て!」
察して狼狽する彼を見おろし、空中でリナが笑う。
ひときわ盛大に花火があがった。
「―――ゼルガディスさん!」
足音の主が、きらめく夜のなかへと飛びだした。
慌てるゼルガディスを無視して、リナは術を操って高度をあげた。
その途中、テラスを蹴って飛び降りたアメリアと空中ですれ違う。
笑ってはいない。どこか必死に泣くのをこらえているような表情。
それでいて、紛れもなく全身に喜びをまといつかせて。
淡い雛色と氷の蒼のドレス。いくつもの水晶の小粒を縫いつけた裾が花火に彩られて虹色にきらめいている。
ティアラと肩から懸けていた綬章は、どこかでとってしまったようだ。
―――だいじょうぶよ。
心のなかでリナは呟く。
今夜のあんたはとてもキレイよ。だから。
だから、アメリア。あんたをおびやかすものなんて、何もないわ。だいじょうぶよ。
ゆっくりと手摺りへ降りたったリナの目の前では、ガウリイが静かに苦笑していた。
「おかえり」
「ただいま」
開け放たれたガラス戸とカーテンの向こうに、放り投げられたティアラと綬章がちらりと見えた。
どおん、とリナの頭上でまた花火がはじける。
こちらを見あげてくるガウリイの金髪が、花火の光を映してやはり虹色に輝いていた。きちんとめかしこんで立っていれば、本当に見目の良い男だ。
なんとはなしに見蕩れていると、つと彼が手を伸ばし、手摺りの上に立っているリナを抱き寄せた。
かかえあげて座らせる両腕のなかから、花びらが落ちるようにドレスの裾が溢れてこぼれる。
「術を解いてくれよ。羽より軽いぞお前さん」
どこかに飛んで行っちまいそうだ、と苦笑する相手へ、どうしようかしらと意地悪く首を傾げてみせる。
それから月を見あげ、思いついて片手を伸ばした。当たり前だが、届かない。
仕方ないわね、とリナは笑った。
「そうね。このままあんたを連れて屋根の上ってのも悪くないけど、わかったわ」
術を解くと、途端に体が重くなる。だが彼女を支える腕の強さはいっこうに変わらない。
彼自身の目線よりも高くかかえあげられたまま、リナはその肩に手を置いて顔を覗きこんだ。
「部屋に連れてって。ここにいちゃ野暮ってもんでしょ。それにあたし、あんたに言いたいことがあるのよ」
ささやいて身をかがめると、リナはその額に唇を落とした。
すべるようにガウリイが歩きだす。
腕に座ったまま、リナは体をねじって空を見あげた。
最後の花火が鮮やかに尾をひいて流れ落ちる。
闇が降りても、夜はまだきらめいていた。
End.