掌篇 (別窓が開きます)
ic_04r[1].gif(371 byte) 知らぬうちに花は
 未来話。寛弘二年、三月八日。安倍晴明、中宮の大原野社行啓により反閇を奉仕す (『小右記』)。
「―――そういえば、晴明さまの邸の藤は、どのように」


ic_04r[1].gif(371 byte) 三十一文字
 事の発端は、万葉集。
「あら、じゃあ何か一首詠んでみて」


ic_04r[1].gif(371 byte) 欠けゆく望月
 未来話。万寿二年、月は欠けはじめ、人の世は移ろいゆく。


ic_04r[1].gif(371 byte) あられ降るなりさらさらに
 冬の夜。彰子が何気なく口ずさんだ歌の意味は?


短篇 (別窓が開きます)
ic_04r[1].gif(371 byte) 心を君に
 「焔の刃〜」の後の話となります。
 出雲へ行った昌浩の帰りを待つ彰子―――。
 心のなかは、こんなにも昌浩のことばかり。


ic_04r[1].gif(371 byte) 踏ままく惜しき
 「雪が降っていたようですね」
 「昌浩が帰ってくるとき、どうしましょう」
 外はいつの間にか白一色。


ic_04r[1].gif(371 byte) 違えた星に祈りの朝を 〈上〉 〈下〉
 999年12月。「六花〜」と「うつつ〜」の間の話。
 ―――その日、彰子に妹が生まれた。
 身勝手な願いだろうか。どうか姉妹として結びあえればいいと、願うのは。


ic_04r[1].gif(371 byte) もののをりの扇、思はずなる絵など描きて 〈上〉 〈下〉
 「彰子さまのものですよ」
 更衣(ころもがえ)の日、彰子は蝙蝠(かわほり)扇をもらった。


ic_04r[1].gif(371 byte) 理まといて吹く風の 〈上〉 〈下〉
 「なら、俺が太陰に名前をあげるというのでどう?」
 「はっ?」
 言われた当の太陰はおろか、他の神将たちまで呆気にとられた顔になった。


長篇 (別窓が開きます)
ic_04r[1].gif(371 byte) 君がためにと ()る花は
〈序〉 〈一〉 〈二〉 〈三〉 〈四〉 〈五〉 〈六〉 〈七〉 〈八〉 〈九〉 〈十〉 〈十一〉 〈終〉 〈拾遺〉
 互いに手をつないだまま、幸福にあいまいに時は過ぎ。
 出逢いから、五年。
 ―――かぎりなき 君がためにと()る花は。

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